電線管・フレキ管技術資料
電線管の種類
電線管は、電力や通信等に用いられる電線類を収納し、保護する役割をしています。
電線管の役割
電線類の物理的な保護です。収容電線類の絶縁性能が悪化しても外部への漏電の影響を低減し、金属製電線管路は電磁遮へい効果があり、環境の磁界強度を減少もできます。
電線からの火災拡大の防止、火災時の電線類の保護(耐燃性のないものを除く)電線類を隠し美観性を保ちます。
隠ぺい配線における電線類の入れ替え等、メンテナンスが容易です。
電線管の種類
厚鋼電線管(あつこうでんせんかん)
金属製電線管のうち管の肉厚が厚いものです。機械的強度に優れており、主に屋外や工場内の金属管工事に使用されます。G管ともいいます。
薄鋼電線管(うすこうでんせんかん)
金属製電線管のうち管の肉厚が薄いものです。屋内の金属管工事に使用されることが多いです。C管ともいいます。
ねじなし電線管
厚鋼・薄鋼電線管とは異なり管端にねじが切られていないものです。薄鋼電線管よりも管の肉厚が薄いため、管を通す電線の本数も増やすことができ、E管ともいいます。
合成樹脂製可とう電線管
JIS C 8411で規格化されており、次の二種類があります。
PF管(Plastic Flexible conduit、ピーエフかん)
耐燃性のある合成樹脂管で、単層のPFSと複層のPFDがあります。
CD管(Combined Duct、シーディーかん)
耐燃性のない合成樹脂管。管の色をオレンジ色に着色してPF管と区別します。
金属製可とう電線管
JIS C 8309で規格化されている2種金属製可とう電線管や、厚鋼電線管のサイズのもの(KICなど)があります。
その他の電線管
硬質ビニル電線管
JIS C 8430で規格化されています。一般に用いられるVE管と、耐衝撃性のあるHIVE管があります。
ケーブル保護用合成樹脂被覆鋼管
JIS C 8380で規格化されています。PLP管ともいいます。
波付硬質合成樹脂管
地中埋設用の配管です。FEP管ともいいます。
JIS C3653「電力用ケーブルの地中埋設の施工方法」に規格があります。
マシンフレキとは
機械や、制御盤周りに使用する電線管のことです。各メーカーが販売しており、メーカーによってマシンフレキという名称でない場合があります。
電線管の仕様により特性がことなりますが、主な特性を下記します。電線管を使用する環境に応じて、その特性に強い品番を選定して使用します。
特性一覧
防水、耐油、耐熱、耐寒、耐スバッタ、静電気防止、耐振動、耐放射線、耐屈曲、高屈曲、EMI対策、高可動、耐摩耗、耐候
マシンフレキの使用用途として、主に工作機械、産業機械、ロボットなどの可動する部分や、水や油、粉塵の多い環境で電線を保護する必要がある部分において使用します。